2015年6月20日(土)2015年度第二回講習会を行いました。
今回は塗装の中で一番むつかしい漆についてでした。
講師は漆塗りの専門家です。普段TVなどで見ることはあっても直接説明や講習を受けたり質問することはむつかしい内容です。
最初に二戸会長の挨拶です。この中でご自身の漆かぶれの体験談もお話ししていただきました。漆塗りに手が出しにくい一つの要因がこのかぶれの問題です。
敏感な方は、においをかいだだけでも体に赤いものが浮かびます。
続いての経験談は岩淵さんです。
岩淵さんは、医者に行き薬を処方していただいたそうです。薬としては花粉症に対応したものだそうで、万が一かぶれた方はこれが一番よさそうです。残念ながらかぶれ予防の薬はなさそうです。
体験談を真剣に聞いている会員の皆さんです。今回はこのような講義形式で行いました。
さっそく講義が始まりました。プロの使う漆塗りの道具が並べられ説明があります。そのあとから、ふき漆の作業の説明です。普通ですと手袋など防護用の備えをしますが、素手で行われました。普通の方は、絶対に真似をしないほうがいいと思います。
説明の後、会員有志が説明に基づいてふき漆の作業を行いました。こちらはしっかりと手袋をしています。
漆塗りは一回塗った後は、室に入れて乾かし乾いたら次の工程に進めます。
この室ですが会員の皆さんは、それぞれ工夫して作成しています。
今回写真を撮り忘れてしまいましたが、
鈴木さんがカラーボックスを利用した室を紹介してくれました。
冬の温度を上げるためのヒーターはなんとこたつのヒータです。
今回講師がそれぞれの工程別にサンプルを準備してくださったので、連続して
塗り方を見ることができました。準備が大変だったと思います。
この後は、木地の作成をベテラン4名によるデモも行われました。
午後からは、漆の下拵えの専門的な講義がありました。なかなか聞くことのできない内容でした。
これは目止めに使う砥の粉と透き漆を混ぜたものを作っているところです。
これは薄い生地の場合に行われる布きせの準備の様子です。
準備ができた布を木地に貼っている様子です。会員の方が講師の説明を聞きながら実際に木地に貼っていきます。
これも漆で貼っていきますので手袋はもちろんへらのみで貼り付けていきます。
このように今まで見たこともなかった漆塗りの実技を見ることができた有意義な講習会でした。
今回は、これ以外にクラフトの展示会で優秀賞をとられた会員の作品も展示されて制作過程の詳しい話もありました。
これは寄木で作った地球儀です。驚くことに地図はすべて手書きだそうです。
インターネット上の地図を見てうつされたそうですが、経度緯度を5度単位にこの寄木の球体にプロットされて書き写されたそうです。
こちらは右隅に作品が見えていますが。旋盤とトリマーを連動して、お皿に網目に見えるように裏と表にトリマーで彫り込んだ作品です。
今回は内容の濃い充実した講習会でした。