今回も、実習ではなく講義形式の会となりました。
テーマは 伊藤哲夫氏による
「XYテーブルに付けたトリマーでのスパイラル(螺旋)加工と冶具製作」
です。
※今回講習中は松島はビデオカメラを手持ちの状態で過ごしましたので、写真を取ることができませんでした。
川上さんが、詳細な写真を取られていましたので、お願いしたところ快く承諾していただきました。
感謝します。
最初に恒例の佐野会長の挨拶です。
今回は30名の参加者がありました。
伊藤さんが今回説明してくれたスパイラル装置で作成された、サンプルの数々です。
砂時計の支柱はとても繊細な作りでした。中心に細い線が残っていました。
上はスパイラルのサンプルです何本のスパイラルを作るかは何分割で行うかで決まります。
面白いのは同じ分割数でも、太さによって傾きが変わります。
応用編として、器の模様としてスパイラルを刻んだサンプルも用意されていました。
基本は丸棒ですが先と元の径が違うものにもこの装置でスパイラルを刻むことができます。
ガラガラはスパイラルを切ったものを更に加工して作られたようです。
スパイラル装置の全体がわかるような写真です。
製作者から見た写真です。この装置は基本としてX-Yの送り部分で出来ています。
すべて木製です。レールとして引き出しなどに使われているスライドレールが応用してありました。
それぞれには送りネジがあります。ハンドルを回すことにより微小な動きができるようになっていました。
トリマーの送りはM6のネジが使われていて、1回転で1mm動くそうです。写真のメモリで1/10動かすことにより
0.1mmの動きができます。素晴らしい!!
トリマーの設置状態です。手前の溝が切ってあるものは倣い加工をするときに
使われていました。
いよいよ講義の始まりです。
スパイラルを刻む時には主軸の回転に合わせてトリマーが移動します。
この主軸の回転をワイヤーで台を動かす仕組みです。
今回、スパイラルを刻むのは、トリマーです。作業としては
始点にトリマーを当て旋盤の主軸は手で回します。この時の
主軸が回転する動きを上のワイヤーによって左右の台に伝えて
トリマーが移動します。
※このため旋盤のスイッチが入らないようにきちんと切って
モーターで回らないようにしておくことが大事です。
径が変化する場合は先程の倣いバーで予め作成しておいた
倣いの型をなぞるようにしながらルータを手で前後します。
倣いで動かすためトリマーを押し付けるように動かしたほうが
削りやすいと言っていました。
この倣い装置ではネジも切ることができます。この場合は左右に動かす送りネジに
主軸からのワイヤーを掛けておきます。ネジを切る工具は直径が10mmあるので
トリマーではなくドリルで回転させています。
またネジを切る材料ですが、板目で作成すると木の繊維が長くなって綺麗にできるとのことです。
木口の場合は、繊維を切断することになります。サンプルは杉材ですがどこもかけていませんでした。
最後に取り付けていたスパイラル装置を分解して、いろいろ
仕組みを確認していました。
伊藤さん様々なノウハウを開示していただき本当にありがとうございました。